今回やって来たのは、福岡県飯塚市にある嘉穂劇場(かほげきじょう)です。
※嘉穂劇場は再開に向けて協議中のため、当面のあいだ休館中となっています。
もくじ
嘉穂劇場の基本情報(地図・アクセスなど)
名称 | 嘉穂劇場 かほげきじょう |
住所 | 福岡県飯塚市飯塚5-23 |
電話 | 0948-22-0266 |
時間 | 9:00-17:00 |
駐車場 | 専用駐車場あり(有料) |
HP | 嘉穂劇場のページ |
今でも公演が行われる芝居小屋
かつて炭鉱で栄えた筑豊地方。
炭鉱は閉山しましたが、いまだ公演が行われる現役の芝居小屋が嘉穂劇場です。
場所は福岡県の中央に位置する飯塚市にあり、昼間でもディープな香りが漂っている歓楽街の中にあります。
平成18年(2006年)に国の登録有形文化財となった建物で、木造の温もりとレトロな雰囲気の芝居小屋は訪れる人を魅了しています。
数々の苦難を乗り越えた建物
「嘉穂劇場」は飯塚市の中心部にあり、全国でも数少ない戦前から現存する芝居小屋です。
大正時代に建設されましたが、昭和初期に焼失。その後、再建され現在に至っています。
約100年の歴史があり、特に昭和40年代ごろまでは炭鉱で働く人々やその家族のための娯楽施設として連日公演があり、とっても賑わいました。
炭鉱王として知られる伊藤伝右衛門も、柳原白蓮などの家人や従業員を引き連れて芝居見物に訪れたとされています。
また、最後の炭鉱が閉山した後も、劇場は地元の人々に愛され、往年の大スター美空ひばりさんや福岡県出身の歌手・椎名林檎さんもコンサートなど、芝居以外の公演にも利用されています。
そんな嘉穂劇場は平成15年(2003年)の九州北部豪雨の洪水により、1階の大部分が浸水する深刻な被害を受けました。
その後は多くの芸能関係者や地元の人々の支援によって、翌年には復旧。
全て木造でできていて、江戸時代の芝居小屋の雰囲気が味わえる施設として、旧伊藤伝右衛門邸と並ぶ飯塚の人気観光スポットです。
今でも現役!大衆演劇の殿堂
2004年(平成16年)に復旧したのち、運営主体が変わって観光小屋として年間で数十日ほどの公演やイベントが開かれています。
江戸時代を彷彿とさせる歌舞伎小屋様式の木造2階建ての建物は、外観から過去の公演の手書き看板が飾られ、歴史情緒たっぷり。
最大で1,200人を収容できる客席は、畳敷の桝席と、桟敷席があります。
桝席の左右には2本の花道があるのは、日本で唯一とされています。
枡席はちょっと窮屈な感じですが、舞台と客席がとても近くて臨場感があります。
桟敷席とは、舞台を左右から見られるいちばんいい席のことです。
内部の見学もOK
公演やリハーサルのない日は、舞台の裏側など劇場の内部を見学することができます。
舞台下の奈落に下りて芝居の場面転換に使う直径16m、重さ6tの「廻り舞台」や役者が舞台下から登場する「せり」なども見られます。
嘉穂劇場では電動ではなく、すべて人力で動かすというとってもレアな仕組みです。
貴重な資料の展示コーナーも
花道の真下の通路や2階の展示室では、美空ひばりさんや山口百恵さんのサインをはじめ、渥美清さん、永六輔さんとの写真など、貴重な資料が展示されています。
通路には過去の公演のチラシやパンフレットなどもあり、懐かしい出演者のポスターなど華やかな歴史を垣間みることができます。
まとめ
飯塚は江戸時代の長崎街道における交通の要衝として栄えたまちです。
炭鉱によって活気に満ちていたころ、筑豊地方には芝居小屋が約50軒ほどありましたが、現存するのは嘉穂劇場のみとなりました。
歴史的な建造物であり、いつまでも現役で残ってほしいとってもレアなスポットです。
※嘉穂劇場は再開に向けて協議中のため、当面のあいだ休館中となっています。
劇場の客席に座ってみるとノスタルジックな雰囲気がとっても落ち着きますよ。
飯塚にお越しの際は、ぜひこのレトロな雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
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