人間の成長から見た「旅をする理由」

前回は、人が旅をする目的を「人類の進化」の側面から考えましたが、すぐ理解するのはなかなか難しいですよね。

そのためここからさらに深掘りし、今度は私たち一人ひとりのレベルで、人の成長するプロセスについて考えてみましょう。

人間の成長について

(1)幼少期:癒し・くつろぎ

子供にとって保護者からの愛情は健やかに成長するうえで重要な基盤となり、親子関係を通じて多くのことを学びます。

親という存在があり、愛する人に受け入れてもらうことで自己肯定感が高まり、積極的な行動が身につきます。

(2)学生期:学び・教養

小学校から大学まで、学校ではさまざまな環境で育った人たちが集まり、集団生活を送ります。

多くの人と関わることで協調性が育まれ、互いに刺激を受けながら学ぶことが健康な成長につながります。

(3)社会生活期:レジャー・遊び

学校を卒業し、社会人になると、仕事で稼いだお金で自立できるようになります。

職場や地域などで多くの人々と交流する一方、休日にはスポーツや趣味、娯楽などでリフレッシュすることも大事です。

(4)シニア期:美容・健康

年齢を重ねるにつれ、健康や美意識など自分らしさを追求することで、充実した人生を送ることができます。

それぞれが生きがいを持つことで、健康で文化的なセカンドライフを楽しむ元気なシニアが増えています。

つまり、人間の成長には、

(1)家族というやすらぎの場所から、

(2)学校での集団生活による学びを経て、

(3)社会人として人との交流をおこない、

(4)健康や美に興味を持つ

4つの段階を経て人が成長するプロセスは、「自分探しの旅」とも言えます。

マズローの欲求5段階説について

上記の人が成長するパターンは、人はより精神的な充足を求めるという「マズローの欲求5段階説」にもつながります。

(第一段階)「生理的」な欲求(スタート地点・ゼロ段階)

・生きるために必要な、人間の根本的な生存欲求となるものです。

(第二段階)「安全」の欲求(幼少期:癒し・くつろぎ)

・身体的に安全で、経済的に安定した環境で暮らしたいという欲求です。

・秩序のある環境で暮らすことで、心の平穏が保たれます。

・幼少期に家族の愛情を受けて過ごすことで、子供にとって大きな自信が生まれます。

(第三段階)「社会的」欲求(学生期:学び・教養)

・家族や組織など、社会集団に所属して安心感を得たいという欲求です。

・自分を受け入れてくれる他者がいることで、穏やかに暮らすことができます。

・学校生活を通じて協調性を学ぶことが、孤独感の解消につながります。

(第四段階)「承認」欲求(社会生活期:レジャー・遊び)

・所属する集団で評価されたい、自分の能力を認められたいという欲求です。

・他人に注目されたり、ほめられることで自信が生まれます。

・仕事や遊びなど、自分が興味のある領域で長所を伸ばすことが原動力となり、やる気やモチベーションが高まります。

(第五段階)「自己実現」欲求(シニア期:美容・健康)

・自分にしかできないことを達成したい、自分らしく生きたいという欲求です。

・理想の姿を思い描き、少しでも近づこうと努力することが、充実した生活につながります。

・内面的な豊かさや成長に向けて努力することで、より人間的に成長できます。

人の欲求は5段階に分かれていて、低い次元の欲求が満たされるたびに、より高度な欲求に向かうとされています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

人は成長する過程で「癒し・くつろぎ」「学び」「遊び・熱中」「健康」の要素が、人生に密接にかかわっていることがわかります。

つまり、人が旅をすることは自然な欲求であり、生きていく上で重要なことなのです。

次に、人がなぜ旅をするのかについて、私たちを取り巻く環境面から考えてみましょう。(次ページ:まちの発展から見た「旅をする理由」

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