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まちの発展から見た「旅をする理由」
前回までは、人類全体の「集団」や「個人」の行動パターン、そして人々の移動や旅行との関係について見てきました。
今回はさらに深掘りして、私たちを取り巻く「環境」について考えます。
まちや都市が発展するプロセスとは?
人々が集まるまちや都市が発展するには、四つの段階があります。
(第一段階)オアシス:癒し・くつろぎ
・河川や湧水地など、水が豊富なところに人は集まります。
・稲作の伝来により、扇状地や河川沿いなどで人々は生活し、稲作を行いました。
・農耕生活が続くと定住と階級社会の形成により、人々の生活基盤が安定しました。
(第二段階)寺社・仏閣・お城など:学び・教養
・人々の定住にともない、心のよりどころとなる寺社・仏閣や、外敵から守るための堀や城が形成されました。
・豊穣に感謝するおみこしや盆踊りなどのお祭りが行われ、地域のコミュニティが形づくられます。
・歴史を重ねることで、心のよりどころはその地域に根付いたシンボルや遺産(レガシー)となっていきます。
(第三段階)市場の形成:遊び・買い物
・地域の中核をなす城郭や寺社のまわりには城下町や門前町など、人々が集まる市場(いちば)が成立。
・各都市の交易が活発になると、都市をむすぶ街道沿いに物資を運ぶための港町などが発展し、交易が行われるようになります。
・人々の交流が進むと活気が生まれ、飲食や娯楽、宿泊など関連産業が充実するようになります。
(第四段階)地域ブランド:健康・多様な価値観
・交易の拡大にともない、地域の特性にあった農産物の生産や工業用品の製造によって生産性がアップします。
・それぞれの地域に合った独自の伝統や、風習といった文化が継承されます。
・月日が経つにつれて、その土地ならではの洗練された地域ブランドが醸成されます。
人が住む地域にはそれぞれのストーリーがあり、郊外のベッドタウンや学園都市など、近代に誕生した市町も存在します。
また、新しい地域では、歴史が浅く文化的な要素がまだ少ないこともあるでしょう。
つまり、人が集まる場所はすべて、この「4つのイー」の要素を基に形成されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私たちが住むまちの成り立ちは、「4つのイー」が基本になっていることをご理解いただけたでしょうか。
近年は少子高齢化に伴い、地域活性化のために必要なことについて議論されていますね。
地域が住みやすく、暮らしやすい街に発展していくまちづくりの重要な要素となっているのが4つのイーなのです。
次のページでは、これまでのまとめと、当ウェブサイトのミッションについてご説明します。(次ページ:「人はなぜ旅をするのか?」まとめ)