今回は宮崎県延岡市にある北川陵墓参考地(きたがわ りょうぼさんこうち)をご紹介します。
「北川陵墓参考地」は天孫降臨の神話で有名な「ニニギノミコト」の終焉の地として伝えられている場所で、宮崎、鹿児島に3つあると言われるうちの一つです。
場所は西郷隆盛資料館(当時の西郷の宿舎跡)のすぐ裏側を少し上がったところにあります。
可愛岳(えのだけ)登山口の横にひっそりと佇んでいて、現地はいかにも神聖な雰囲気がただようスポットになっています。
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日本書紀にも記された「可愛山陵」
陵墓参考地(りょうぼさんこうち)とは、古い記録や地域伝承、墳丘の形態や規模、出土品などにより、被葬者を特定できないものの、皇族の先祖や皇室関係者の陵墓の可能性があるものをいいます。
この北川陵墓参考地もその一つで、現在は宮内庁による指定と管理のもと、原則立ち入りが禁じられていますが、近くまでは見学することができます。
別名は可愛山陵(えのみささぎ)とも言われ、古くは「日本書紀」や平安時代に編纂された延喜式(えんぎしき)にも「ニニギノミコトの御陵が日向国(現在の宮崎県)にある」との記述があります。
日本書紀によると「日向の可愛の山稜に葬りまつる」との記述があり、明治28年(1895年)にはこの地が可愛山陵と特定されたことから、ニニギノミコトの陵墓として陵墓参考地に認定されたのです。
御陵の本体となっている古墳には柵が設置されていて立ち入り禁止となっていますが、すぐ目の前までは見学ができます。
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天孫降臨の主役、ニニギノミコトとは?
入り口の鳥居ちかくには、剣を携えた勇ましいニニギノミコトの銅像が「よくぞ来た!」と言わんばかりの姿で迎えてくれます。
天孫降臨の神話で有名なニニギノミコトは、天岩戸伝説でおなじみの天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫。
日本神話ではニニギノミコトは地上に平和をもたらすために、天照大神の命を受けて地上に降り立ちました。
降臨した場所は高千穂か霧島連峰と伝えられているため、宮崎や鹿児島には神話の伝承が数多く残っています。
案内板によると、天孫ニニギノミコトは、地上に稲作を伝えながら争いをしずめ、愛宕山にたどりつきました。
そして、海と山の二つの神の称号をあわせ持つオオヤマツミの娘、コノハナサクヤヒメと出逢い結婚。
やがて海幸彦・山幸彦を含む3人の息子が生まれ、山幸彦の孫が日本の初代天皇である神武天皇と言われています。
なお、コノハナサクヤヒメと出会ったとされる愛宕山は「出会いの聖地」として人気のデートスポットになっています。
周辺には西郷隆盛の史跡も
北川陵墓参考地から徒歩2分の場所には「西郷隆盛宿陣跡資料館」があります。
参考地と陣屋跡がすぐ近くなのは、西南戦争のときに西郷隆盛が敗走するなか、ニニギノミコトの陵墓のあるところは政府軍も攻められないだろうと考え、西郷軍がここを本拠としたからです。
最後の陣営として宿泊した屋敷には、西郷の遺品や西南戦争の貴重な資料が展示されています。
入り口にはニニギノミコトと西郷隆盛の顔はめパネルがあり、時代を超えた二人の偉人になりきって記念写真を撮れますよ。
さらに可愛岳(標高728メートル)の登山口は北川陵墓参考地のすぐ脇にあります。
初心者でも比較的登りやすいので人気が高く、展望台からは海の風景や、山頂からは九州が誇る名峰・大崩山(おおくえやま)の絶景を見ることができます。
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現地には車で行く方が便利なので、自家用車かレンタカーの比較サイトから探すと安く借りられます。
まとめ
宮崎県には数多くの神話ゆかりの地があります。
なかでも北川陵墓参考地は、天照大神の孫で地上に初めて降り立ったニニギノミコトが眠る場所として、宮内庁が認定した信憑性のある貴重なスポットになっています。
延岡にお越しの際は、ぜひ神話ロマンの地を訪れてみてはいかがでしょうか。
名称: ニニギノミコト陵墓参考地
住所: 宮崎県延岡市北川町長井
アクセス: JR延岡駅から車で15分
駐車場: 無料駐車場あり
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